担当教員: 白澤麻弓
ゲスト: 森敦史さん

8月10日に天久保キャンパスで行なわれたオープンキャンパスでは、共生社会創成学部の体験授業として、盲ろう者の生活やコミュニケーションについて学ぶ授業が行なわれました。授業のゲストとして、本学大学院情報アクセシビリティ専攻の卒業生であり、現在は本学の大学戦略課職員として勤務している森敦史さんに参加していただきました。森さんは先天性の盲ろう者です。相手の手話に手で触れて読み取る「触手話」という方法で、白澤教授とコミュニケーションを取りながら、「触手話を使う時に気をつけることは?」「普段はどんな生活をしている?」といった質問に答えていただきました。体験授業に参加した人たちは、触手話で会話する様子を初めて直接目にした方も多かったようで、「触手話を読み取るときは片手だけを使うので、両手で表現する手話単語は、片手だけでわかるように表し方を工夫してほしい」という話には「なるほど~」と反応しながら、見えない・聞こえない世界への想像を膨らませている様子が見られました。

後半の質問タイムでは、参加者からの質問に、森さんが手話に触れて直接読み取って回答する場面もあり、触手話コミュニケーションを初めて体験した参加者は、直接伝わった安堵や喜びの混ざったような充実した表情を見せていました。

授業の最後には参加者に宿題が出されました。課題は、盲ろう者の森さんが今感じている不便さをどうしたら解決できるかアイディアを出すこと。課題の〆切は2027年10月の、「盲ろう者の理解と支援」の初回授業です。森さんは、仕事中にコーヒーを飲みたくなったとき、自分でコーヒーを淹れて安全に自席まで持ち帰ってくるのが難しく困っているとのこと。3年後の授業で、学生の皆さんからさまざまなアイディアが出されることを期待しています。

白澤麻弓による授業の風景。