インタビュー 河野純大(かわのすみひろ)

先生のご専門は何ですか?

筑波技術大学に着任してから、遠隔情報保障の研究をスタートしました。これは、聴覚に障害のある方のための情報保障を、インターネットを介して遠隔から行うものです。この研究では、ユーザの声を大事にして、より使いやすいシステムにしていく部分を頑張りました。
卒業研究では、学生のアイデアを大事にしていて、いろいろな場面での困りごとをユーザの視点に立って、「どうすれば情報をわかりやすく伝えられるだろうか?」ということを追求しています。以下の研究テーマは、2023年度・2024年度に卒業研究で取り組んでいるものです。

  • ライブにおける情報保障に関する研究
  • 情報保障事例蓄積システムに関する研究
  • デフバドミントンの競技力向上に関する研究 

新学部ではどのような授業を担当するのですか?

教養科目から専門科目まで、単独担当やオムニバス含めて幅広く担当します。「情報と社会環境」(1年2学期)、「情報リテラシー」(1年1学期)、「情報基礎論A」(2年1学期)、「情報基礎論・演習B」(2年2学期)、「社会統計学A」(1年1学期)、「共生社会と支援」(3年1学期)、「ヒューマンインタフェース」(3年1学期)、「支援技術学論」(2年1学期)、「支援技術学演習」(2年1学期)を担当予定です。

「共生社会と支援」は、両キャンパスの学生と産業技術学部の支援技術学コースの学生が共同で学びます。各回、高齢の方や障害のある方の支援に関する技術開発や実践に関する最先端の事例に精通している非常勤講師(障害当事者の先生を含む)をお招きして授業を行います。
高齢者の運動支援、高齢の方が住む住宅の設計、視覚に障害のある方の支援ツールである触地図や白杖、障害学生支援や盲ろう者支援などの内容について、最先端の研究事例や実践事例について学びます。

「支援技術学論」「支援技術学演習」は、産業技術学部の支援技術学コースの学生と一緒に受講します。
さまざまな支援技術や支援に関する法律や規格などに加えて情報保障工学や福祉機器工学、福祉住環境やアクセシブルデザインの基本について、講義と演習を通して学びます。

「情報基礎論A」「情報基礎論・演習B」では、産業技術学部総合デザイン学科の学生と一緒に、情報デザインの基礎や実践について学びます。
データに基づいて論理的に課題の解決案を考案・実践して、わかりやすいプレゼンテーションを作成する表現力などを身に着けます。
アイデアをカタチにする手法について学びましょう。

共生社会創成学部の受験を考えている学生へのメッセージをお願いします

新しく設置される共生社会創成学部を担当できて非常に嬉しく思います。新入生と会えるのを非常に楽しみにしています。
この学部では、多様な人達と一緒により良い社会を創っていくために必要な知識やスキルについて学ぶことができます。さまざまな授業で基本的な知識を身に着けて、実際に学外の企業や自治体と一緒に、障害に対する理解を広めていく活動や、誰にとっても使いやすい施設にするための取組などを行って、実際に社会を変えていく活動をします。
私の専門は福祉情報工学で、聴覚に障害のある方の情報保障に関する研究や実践をします。ぜひ、ユーザにとって使いやすい、伝わりやすい情報デザインやインタフェースなどについて一緒に考えて、みんなにとって使いやすいものを作っていきましょう。

河野先生授業風景画像