担当教員:小林洋子

同じく8月10日の天久保キャンパスのオープンキャンパス、共生社会創成学部の2つ目の体験授業として、日本以外の国での聴覚障害者を取りまく文化や社会について学ぶ授業が行なわれました。ろう者の小林講師は手話で話し、スライドに字幕を表示したり、ホワイトボードに補足を書き込んだりして、さまざまな視覚情報を活用しながら授業が進められました。本学の実際の授業と同様に、手話がわからない人を含め受講者一人ひとりに伝わっていることを確認しながら、授業はクイズ形式で展開されました。

スライドの説明をする小林洋子。

最初の問題は「世界中で手話は1つだけ?」。答えは「たくさんある」でほとんど全員が正解でしたが、2問目の「ろう難聴学生のための大学は筑波技術大学だけ?」は「はい」と「いいえ」に回答が分かれました。クイズの後、世界で最初にできたろう難聴者のための大学である、アメリカのギャローデット大学の紹介や、「ギャローデット」の手話表現は大学創立者のサインネームが元になっていることなど、ろう者のための大学とろう文化との密接なつながりについて解説がありました。

続いて「デフリンピック」の手話表現を当てるクイズでは、手話表現のもとになったデフリンピックのログマークについて、ろう文化尊重の思いが込められたものでろう当事者がデザインしたことが説明された場面では、「知らなかった」という表情で説明に見入る参加者の様子が印象的でした。この他、次々とクイズを通して、手話コミュニケーションができるカフェや、テーマパークで用意されているろう難聴者向けの多様なサービスなどについても紹介がありました。社会の中に、ろう難聴者の立場や文化に根ざした視点での取り組みがさまざまあることを学ぶ、貴重な時間となりました。

小林洋子による手話を用いながらの授業。