インタビュー 小林ゆきの(こばやしゆきの)
先生のご専門は何ですか?
私のもともとの専門は、理論言語学です。英語、日本語、日本手話をはじめとした自然言語がどのような仕組みで成り立っているのかを研究してきました。近年は、視覚障害者の英語教育の研究を精力的に進めています。
全盲の学生と弱視の学生の英語学習法は異なりますが、重度弱視の学生、音声ユーザーの学生の英語学習法も異なってきます。技大の学生さん達の意見を聞きながら、視覚障害者にとってより良い英語学習法を開発しています。
皆さんと、共に学び、共に研究できると嬉しいです。
新学部ではどのような授業を担当するのですか?
「英語A-D」「専門英語1-2」「言語学概論」「諸外国の障害者と文化・社会・生活」「共生社会創成特別研究1-2」などです。
「専門英語1-2」では、CLIL(内容言語統合型学習)の手法を用いて、英語と共生社会について学んでいきます。
具体的には、障害のある人の文化や情報保障、教育などについて英語の題材を用いて学びながら、内容だけでなく同時に英語の力も身につけていきます。
「言語学概論」では、普段何気なく使っている言語の基本的な仕組みから、脳科学やAIに繋がる話題まで、言語に関する入門的な内容を広く学びます。日常の中に、ワクワクするような気付きが広がっていきます。
「諸外国の障害者と文化・社会・生活」では、諸外国の障害者教育や福祉、文化、芸術、就労等の状況について学びます。諸外国の障害者の実際を学びながら、共生社会のあり方を検討していきます。
共生社会創成学部の受験を考えている学生へのメッセージをお願いします
社会人になる一歩手前の大学で過ごす4年間は、さまざまなことに挑戦し、自らの知的好奇心を満たすことのできる貴重な4年間です。面白いと思ったことや、「なぜだろう?」と思ったことは、思いきり探究し、やってみたいと思ったことは、失敗を恐れずにチャレンジしてみてください。そして、しっかりと自分の頭で考え、自分が感じたことを自分の言葉でつむいでみてください。それらの過程で得られる知識や経験は、みなさんの教養、生きていく上での基盤となり、物事に対する深い理解力、洞察力、倫理的な判断力を育む助けとなります。
共生社会創成学部は、みなさんの挑戦を応援します。これからの不確かな時代に、自ら考え、判断し、行動できるものとなり、自分とは異なる様々な価値観や考え方の人々と、互いに尊重し協力し合い、共に社会を築き上げていくものとなる——共生社会創成学部は、そのような人材になるための様々な取り組みを用意しています。
「気持ちはあるけれど、本当に自分にできるか心配だ」と思うかもしれませんが、大丈夫です。同じ思いを持つ学生が全国から集まってきます。仲間と一緒に、まずは一歩前に踏み出してみてください。新しい世界は、きっとみなさんのその一歩から始まります。