株式会社ケア・テック
二戸営業所 芦萓孝義様
盛岡本社営業推進部 中川貴仁様
1.株式会社ケア・テックは、どのような組織ですか?
芦萓/当社は岩手県盛岡市に本社を構え、岩手県と青森県に事業所を展開する会社です。主に医療機器や介護用品全般を取り扱っています。メーカーではなく、製品を仕入れてエンドユーザーに提案・紹介する販売会社という形態をとっています。
中川/顧客の割合は、高齢者が約8割、その他が約2割です。在宅医療全般を取り扱っているため、障害者や障害児向けのサービスも提供しています。例えば、ストーマ装具、在宅酸素、経腸用輸液などを扱う部署もあります。
2.障害者向けのサービスを始めたきっかけは?
芦萓/私が入社した20年前の時点ですでに取り扱っていたため、特定のきっかけがあるわけではありません。ただ、「ケア・テックでこのような製品は扱っていますか?」という問い合わせに応えるうちに、取り扱いが徐々に増えてきたと感じています。
(介護保険と障害関連の制度や手続きが異なります。「これは当社の業務ではない」といった話はありませんでしたか?)
芦萓/特にそういったことはありませんでした。例えば、読書支援機器に関しては貸し出しではなく販売という形になりますが、2023年と2024年にそれぞれ1件ずつ対応しました。
3.機器貸与に関する業務の流れは?
芦萓/2023年の1件は、もともと取引のあった特別養護老人ホームの看護師からの依頼でした。その方が失明する病気を患い、退職を余儀なくされた後、拡大読書器や音声読書器の存在を知り、当社に相談されたのがきっかけです。
まず、その方の状態やニーズをヒアリングし、視覚障害者向け製品を扱う商社に問い合わせをしました。メーカーのアドバイスをもとにデモ機を取り寄せ、貸し出しを実施しました。ご本人が納得した後、制度の説明を行い、必要書類を提供しました。申請は利用者またはご家族が行い、承認後に当社が注文を受ける流れです。
通常、当社は役所での手続きには直接関与しません。介護保険利用者にはケアマネージャーがついているため、ケアマネが手続きを代行することがあります。ケアマネの方から当社に相談を受けることも、少なくありません。
中川/読書のための機器ですと、特別支援学校を経て病院、相談員、県の相談センターへとつながる流れが一般的です。しかし、当社の場合、後天的に視覚や聴覚を失った方が「どこに相談すればいいかわからない」と感じたときに問い合わせを受けることが多いです。総合的なサポートを提供する方針のため、まずは相談を受け、対応を検討する形をとっています。
4.障害者対応はどのような体制で行っていますか?
中川/当社のヘルスケア担当営業スタッフは全社で24〜25名います。全員が高齢者と障害者の一次対応を行い、専門的な対応が必要な場合は私や芦萓に相談が寄せられることが多いです。
(高齢者と障害者の制度や手続きの違いは?)
介護保険の場合、レンタル料金にはメンテナンスや修理費用が含まれていますが、障害者向けの機器では項目ごとに上限金額が決まっています。そのため、売上は販売時のみ発生します。当社では、介護保険の流れで対応するのが一般的で、障害者向けのデモ機の貸し出しや他機関との取次でも、料金をいただくことはありません。
(機器の破損リスクについては?)
芦萓/例えば、エアバッグ式のスイッチ入力機器のデモ機を貸し出した際に破損したことがありました。迷いましたが、その時は使い方に問題があったため、実費請求しました。
中川/貸し出し時に破損することはどうしても起こりうると思います。「破損時は実費修理になります」と口頭で伝えていますが、これまで大きなトラブルは発生していません。
5.機器に関する情報収集はどのようにしていますか?
芦萓/機器の情報収集は、その都度行っています。頻繁に問い合わせがあるならば最新情報を常に更新しますが、当社では障害関係の事案が多数発生するわけではないため、問い合わせを受けてからメーカーや社内の詳しい人に相談する形が主です。
中川/私もその都度ですが、デモ機が届いた際には必ず触って操作し、基本的な使い方をマスターした上で利用者に提案するようにしています。
利用者に関する情報収集は面談が中心で、「何だったら使えるか」という観点が重要だと感じています。病院や家族からの情報だけでは十分ではありません。患者さんや家族の方は「何がしたいか」を見ていて、どこかが動くからそれが使えるだろうという思い込みでおっしゃられるので、向こうから言われて、いざそれを持って行ったら使えないということが往々にしてあります。
最近当社では、意思伝達装置の視線入力の扱いが増えています。視線入力と決定のスイッチ操作の組み合わせが難しく、スイッチの選定には試行錯誤が必要です。適切なスイッチを見つけるため、何度も訪問し調整を行っています。こうした手間がかかるため、意思伝達装置を扱う業者は少ないのが現状です。当社では、意思伝達装置も大事なツールの一つであり必要な物である、という社内風土が培われています。
(障害分野への対応を始めようとする組織へのメッセージをお願いします)
中川/介護保険を利用する方は相談を一本化したいと考えることが多く、福祉全般を扱う会社としてのブランドを確立するためには、障害者向け製品の取り扱いは有効です。実は私自身も、ケア・テックが意思伝達装置や障害者向け機器を多く扱っていることに魅力を感じて入社しました。特に読書支援機器を扱う事業者は少なく、もっと普及してもよい分野だと思います。同業者が増えれば相乗効果も生まれると思いますので、この分野の発展に期待しています。
参考URL
株式会社ケア・テック http://www.caretec.co.jp/company/