支援者の方へ
目次
ICTの利用支援については、まだまだ情報が不足している状況です。以下に参考になるかもしれない情報を列挙しております。テクノロジーハブとしても、支援者の方のバックアップとなる情報提供から進めていきたいと考えています。
図書館の方向け情報
国立国会図書館「障害者サービスを実施する図書館へのサービス」
国立国会図書館による障害者サービスを実施している各種図書館に対する支援・協力業務が紹介されています。
蔵書と一緒に読書支援機器を貸し出す際の工夫
紙の本と音声読書器を組み合わせて貸し出す
- 音声読書機を購入した時の箱を活用し、紙の書籍と一緒に図書館バック等に入れて貸し出します。

紙の書籍とタブレット/スマートフォン、アームを組み合わせて貸し出す
- ネジで固定するアームはごつごつして分解しにくいものが多いです。このため、紙の書籍、タブレット/スマートフォン、アームをセットで貸し出す場合は、手渡しすることをお勧めします。
- 保護カバーを付けたタブレット/スマートフォンを緩衝材やクッションケースで包み、紙の書籍と一緒に図書館バック等に入れて貸し出します。アームは三脚用の収納袋を利用して貸し出すと便利です。

音声図書と据置型デイジー機器を組み合わせて貸し出す
- クッション材がついたPCバッグ等に書籍メディアと同梱して貸し出す。
- オーテピア高知声と点字の図書館では、100台以上の据置型デイジー機器を準備し、無期限で貸出しているそうです。このため、既にご自宅に端末がある場合は、音声図書を格納したCDやUSBのみを送付しています。

音声図書と携帯型デイジー機器を組み合わせて貸し出す
- 端末とACアダプタをセットにし、ファスナーケース等で梱包して貸し出す。
- オーテピア高知声と点字の図書館の一番人気は携帯型デイジー機器で、こちらも100台以上を備えておられるとのこと。送付する場合は、スマートレター(料金210円)を活用し、返送用スマートレターも同梱して送っておられるそうです。
- インターネット上の記事で貸し出し方法の詳細が紹介されています。https://www.sgv.co.jp/case_studies/otepia_kochi.html

電子書籍とタブレット/スマートフォン、スイッチを組み合わせて貸し出す
- オーテピア高知声と点字の図書館では、保護カバーを付けたタブレットにマルチメディアデイジー図書を格納し、さらに緩衝材で包み、ファスナーケース等で梱包し貸し出しています。(ゆうパック:送料60㎝820円を利用)
- 小型のタブレット/スマートフォンやスイッチのみであれば、より安価な配送サービスを利用することができます。


貸し出し時契約文書
館外貸出に際し、借用書や貸出規約を準備している図書館もあります。ここでは、テクノロジーハブが実施したアンケート調査において、複数の組織の文書に共通していた項目を掲載します。皆様の図書館で館外貸出を始める際の参考にしてください。
- 借用書には、貸し出す機器の名称に加え、キャリーケース、ACアダプタ、取扱説明書等、貸し出す物品を網羅的に明記するようにしている組織が見受けられました。
- 禁止事項としては、目的外使用、第三者への転貸・転売・譲渡、機器の分解、解析、改造、設定変更を記載する組織が多くありました。
- 損傷、紛失時の対応としては、故意や不注意によるものは弁償とする組織が多いです。また、損傷、紛失時にすぐに連絡をするよう記載している組織がありました。
- 修理費用は、使っている機器や経年劣化の度合により異なります。オーテピア高知声と点字の図書館では、例えばデイジー機器の場合、一台当たり年間2万円程の修理費用が発生しているとのことでした。このため見通しがつくまでは、年間にかかる修理費用も見込んで準備しておいた方が良いでしょう。
借用書の内容
- 物品名
- 数量
- 期間
- 住所
- 氏名
貸出規約の内容
- 規約について
- 事業の目的
- 事業の対象者
- 貸し出し手続き
- 貸し出し期間
- 禁止事項
- 損傷、紛失時の対応
- その他
在庫管理、返却後の管理
在庫管理
在庫管理の方法は、貸し出し簿やエクセル等でアナログに管理している組織が多いようです。図書館の場合は、図書館システムを活用している事例が見受けられました。
返却後の管理
機材が戻ってきた後の作業としては、返却物品の確認と在庫管理、読書支援機器のクリーニング、個人情報の消去、動作確認等が発生します。館外貸出を行う際は、返却時の対応や作業が発生しますので、そのための人員と時間を見積もっておく必要があります。
障害学生支援室の方向け情報
視覚障害者等の読書環境の整備のために
障害者の有無にかかわらず等しく教育の機会を得るためには、教科書、学術書、学術論文等の学修に必要な図書をアクセシブルにしたり、読書環境を整備したりすることが極めて重要です。しかし、こういった制度やリソース等の活用状況は、教育機関によって大きく異なるのが現状です。そこで、障害学生支援室と図書館が連携し、貴学に在籍する障害のある学生の読書環境を整備するための情報提供をしております。
- 2023年9月8日「読書バリアフリーに関するリソース活用デモンストレーション」AHEAD Japan第9回全国大会読書バリアフリー分科会 動画(17分、字幕付)
- 視覚障害者等の読書環境の整備のために(MS wordファイルがダウンロードされます)
テクノロジーの利用を支援している方向け情報
広島大学氏間研究室ウェブサイト
デジタルアクセシビリティアドバイザー
障害者に対し、その困りごとに合わせてICT機器などのデジタル機器をコーディネートし、利活用をサポートすることができる人材を養成し、認定するしくみです
テクノロジーハブ活動実績
- 2024年11月11日 図書館総合展に出展しました
- 2024年3月8日 令和5年度図書館の障害者サービス用ICT機器利用支援に関するアンケート調査
- 2024年2月24日 テクノロジーハブシンポジウム